メイドなんたらのはなし

彼女が行きたい行きたいと申すので、メイドカフェに行って参りました。いやぼくも興味はあったんだけどなかなか踏ん切りがつかなくて。全く未知の世界なので、どんな顔して入店すれば良いのやらわかんなかったのです。
いざ現地に到着してみると、パッと見、店が見当たらない。あれ? 場所違った? とキョロキョロしていると奥まった扉へ続く通路を発見。うわー思いっきり入りにくいじゃないですか。そうこうしてる内に扉が開き、中からメイドさんとお客さんが出て来たので、意を決した彼女が「空いてますか?」と突入。いや看板に「メイドが案内するから待て」って書いてあるのに! 積極的過ぎるよ!
通された席はキッチンカウンター(?)手前で、メイドさんが行ったり来たりの起点を間近に確認出来る絶好の場所。しかしそれが逆に落ち着かない。太ももがやたら気になるんだけど何か「見ちゃいけない」ような危うい感じなんだよね。頑張ってチラ見するのも不自然だし、かと言って凝視してても危ないし。でも見せてもOKだからこそミニスカで微妙に高いヒールなんだろうし、非常に扱いにくいんです。ちなみにぼくらのテーブルにメニューを持って来たメイドさんはスカートの下に短パンみたいなの履いてました。もしかして耐性ない人用の措置ですか? ちなみにその人眼鏡だったんですけど、…眼鏡だったんですけど…。
メニューは公式サイトでも確認出来る通り激高。この店の素晴らしいところは、「伊右衛門(緑茶) 400円」とちゃんと明記してるところです。正直過ぎる。なのに他のメニューに商品名が見受けられないのは、ちゃんと調理したオリジナルメニューと言うことですか。ほんとかなー。
ぼくが頼んだのは「メイ丼」なるマヨソースかつ丼(スープ付)。スープはカゴメかなポッカかなと言う味の薄いものでしたが、メイ丼はやたらこってりソースをブチ撒けた代物でご飯も少なく食べにくい。つーかカフェなのに「丼」なところからして間違ってるよね。「メイド」にかけたかったからと言って、これが目玉っぽいメニューはちょっとどうかなと思う。これに続いて「メイドラ焼き」とか「メイ土鍋」とか「メイドリア」とか出て来るんだろうか。あ、メイドリアはかろうじてカフェっぽいかな(ぽいか?)。マヨネーズはカツの上にリクエストの絵や文字でかけてくれるんですが、「ジョジョキャラ」とか「憂鬱と言う文字」とか複雑なの頼んで嫌な顔されても嫌だし、様子を窺うつもりで「お任せ」にしたら「メイプリ」と言う文字とともに猫の絵を描いて下さいましたがひと口目で猫はお亡くなりになりました。これまたどんな顔してリクエストすれば良いのか想像出来ないなあ。「萌えって書いてください!」「ハイどうぞ」「やったー! 萌えー!」とかって食べるんだろうか。考えれば考えるほどわかんねええ。
ひとしきり喋ったり漫画を黙々と読んだり、小一時間ほど過ごしてから退出することに。喋ってる間も漫画読んでる間もちらちら視界に入るふとももが気になってしょうがないなあと思ってたら次第に全く気にならなくなり、空気と化してました。多分ふとももしか見てないからかと思うが、顔なんてそれ以上に確認し辛いんだよな。何つーか、普通の飲食店の店員みたいに思えないと言うか。「あなたたちを喜ばせる為にこんな格好してサービスしつつ歩いてるんですよ」みたいな印象が拭えず、結果「(存在に)触れにくい」対象となってました。言ってしまえば、外を歩いてる何の関係もない女性がいるのと一緒で。おかげで勘定を済ませた際にちょろっと触れた指先の冷たさに異常に反応してしまった。「うわーすいません」とか思ってしまった。そんな過剰な反応は向こうからすれば変なんだろうけど、どうにもこうにも異質な空間だったんだよね。
まあ何だかんだ言いつつそんなに損をしたと言う気もなく、初体験としては非常に無難に終えることが出来たなと安心。いろいろとダメ出ししたいところは多かったんだが、まだ出来たばかりの店だし、逆にこれから伸びる可能性は秘めている素材だったんじゃないかとも思う。料理もうちょい安くするとか美味しくするとかメニュー増やすとか、メイドのサービスも(過剰にならない程度に)トークとかゲームとか増やしてみるとか。
彼女もそれなりに体験出来たので満足らしいので「また行ってみよっかな」と言ったら「え、もう充分でしょ」とのお答えでした。ま、まあそんなめちゃくちゃ行きたいって程でもないんだけどね、もうちょい自然にメイドさん全体(全身)を確認出来るようになったら面白いかなとか思ったんで…。まあ当分は行かないでしょうけど。
て言うか今サイトを確認してたら

毎月8のつく日はメガネデー
「8」を横にたおすとメガネの形!!ということで、8のつく日は昼も夜もメガネ着用でおでむかえします!

とか書いてあるじゃないすか。これマジすか。いやまあこれだけで食いつくと思ったら大間違いですけどね。